神の知恵 Ⅰ列王記3:16ー28

イスラエル人はみな、王が下したさばきを聞いて、王を恐れた。神の知恵が彼のうちにあって、さばきをするのを見たからである。(28節)

「人は、天から与えられるのでなければ、何も受けることはできません」(ヨハネ3・27)とは、バプテスマのヨハネのことばです。まことにそのとおり。自分のもの、与えられていないものは何一つありません。ですから、人が誇るところも何一つありません。ましてや、「神の知恵」となると、完全に上からのものです。ソロモンの祈り、願いに、神がいかに真実に、鮮やかに応えてくださったかを証するような出来事でした。ソロモンは、神によって、母親たる者の真の姿を教えられていたわけです。たとえ遊女といえども、自分の子の殺されるのを平気で見ることができるというのは、その人はもう母親ではありません。みごとな、あっぱれなさばきでした。「しかし、上からの知恵は第一に純真であり、次に平和、寛容、温順」(ヤコブ3・17)。

神と共に歩む日々 小野淳子著