杯あふれて
「あなたはわたしの敵の前で、わたしの前に宴を設け、わたしのこうべに油をそそがれる。」
場面は4節から暗転。1-3節は信ずる者ならだれでも言えること、4節以下はきよめられた者にして告白できることです。人生の暗い場面、死の陰の谷と呼ばれるような試練の中、現実に死に直面するような所を通る時も、神ともにいませばどんなわざわいも恐れないとの信仰です。しかし、真に「死の実体」そのものを味わわれたお方はキリストのみ。私たちの通るのは「死の陰」にすぎません。恐れることはないのです。
次は客をもてなす主人のごとく、神が私を賓客のごとくに迎えてくださる姿です。敵前での食事! ゆとりある勝利と油注ぎ。臨在による豊かな喜びの油を満たしてくださるので、たましいも身も心も人生も、杯から祝いの酒のこぼれるように喜びにあふれていると感極まって歌います。2匹の牧羊犬のごとく、神のいつくしみと恵みとが私を追いかける! どこまでも。
(小野淳子著「神と共に歩む日々」より)