十字架上の第7言 ルカ23:44-49
イエスは大声で叫んで、言われた。「父よ。わが霊を御手にゆだねます。」こう言って、息を引き取られた。(46節)
「私のたましいを御手にゆだねます」(詩篇31・5)。最後までみことばの成就です。「父よ」と再度回復された呼びかけをなさり、地上での子としての使命の一切を成し遂げられ、すべてを父なる神にゆだねられる、静かな勝利と平安の瞬間です。キリストを死に渡したのは、ユダヤの宗教家でもローマの兵士でも民衆でもピラトでもなく、実に神ご自身であり(イザヤ53・10)、主自らでありました(ヨハネ10・18)。「そのためには、どうしても十字架刑でなければならなかったので。ヨハネの福音書19章33節でもわかるように」と、デニス・アップルビー師は語られ、目を啓いていただきました。その死の様は、百人隊長の目にも民衆の目にも、神の子、正しい人の栄光の姿に映りました。主を信じ、主に連なる私たちの地上の終わりも、平安のうちに、わが霊を御手にゆだねられる幸いを覚えます。
神と共に歩む日々 小野淳子著