2月最終礼拝でした。 2023.2/26(日)

≪今週のみ言葉≫

 「私は、死ななければならないのでしたら死にます。」エステル記4章16節

説教題:『神からの使命に生きる』 聖書:エステル記4章1~17節

聖書66巻中、婦人の名前が書名になっている書が二つあり、一つは「ルツ記」、もう一つがこの「エステル記」です。エステル記はエズラ記、ネヘミヤ記と共に、バビロン捕囚帰還後の歴史が背景です。バビロンを滅ぼしたペルシャ王キュロスは、B.C.539年に、ユダヤ人達に故国に帰って主の宮を建てるように勅令を出しました。帰還した民は5万人弱で、このエステル記の出来事は、残っていた大部分のユダヤ人に起こったことで、この時の王はクセルクセス(アハシュエロス)王、舞台はペルシアの首都スサでした。

Ⅰ.神からの使命への準備 インドからエチオピアまでの127州を治めていたクセルクセスの時代、その栄華は王が催した宴会の期間とその有様に表わされています(1・1~7)。王妃ワシュティが王の要求を拒んだため、新しい王妃が選ばれることになり、その白羽の矢が当たったのがエステル(「星」という意味の名)でした。エステルはいとこのモデルカイに養われていました。父母が亡くなった時に引き取られていたのでした。エステルの無私無欲の姿は「彼女を見るすべての者から好意を受けていた」(2・15)とあります。また、みなし子のエステルが、一躍王妃の立場に上げられた時にも、「エステルは、モデルカイが彼女に命じていたように、自分の生まれも自分の民族も明かしていなかった。エステルはモデルカイに養育されていた時と同じように、彼の命令に従っていた。」(20)とあるのは驚くべき内面の従順の美でした。

Ⅱ.神からの使命への決断と結果 これら残存のユダヤ人達に対して厳しい出来事が企てられました。唯一真の神以外を拝まないモデルカイに対する、王に気に入られていたハマンの奸計でした。ハマンはただにモデルカイのみでなく、彼の民族ユダヤ人全滅計画をもくろみ、王の名でその書が記され王の指輪で印が押されました。(3・12,13)。モルデカイの大いなる苦悩の有様が4章1節にあります。ハタクを通してモルデカイとエステルの対話がなされました。「あなたがこの王国に来たのは、もしかすると、このような時のためかもしれない。」(4・14)とのモルデカイの言葉に、エステルは決断します。スサにいる全ユダヤ人に三日三晩の断食を依頼します。通常は一日のところを三日三晩と求めたのは重大事であるとの認識であり、神のみが王の心を動かせるお方との信仰からでした。自分と侍女たちもそうします。「そのようにした上で、法令にそむくことですが、私は王のところへ参ります。私は、死ななければならないのでしたら死にます。」(16)命を賭しての決断でした。結果エステルに王は金の笏をのばし、エステルの命が救われたのみでなく「大逆転」が起こり、ハマンはモルデカイをつけようと立てたその木に自分がかけられて死に、ユダヤ人虐殺のその日にユダヤ人たちが逆に敵に対して大勝利と救いが与えられたのでした!この書の中には一度も「神」あるいは「主」の名は記されていません。しかし、背後に活き活きと働かれた「摂理の神の御手のわざ」を見ます。6章1節の「その夜、王は眠れなかったので」もその一つです。「神を愛する人たち、すなわち、神のご計画にしたがって召された人たちのためには、すべてのことがともに働いて益となることを、私たちは知っています。」(ローマ人への手紙8章28節)のみことばは<摂理信仰>の代表的なみことばです。エステルの従順と信仰の決断に学びましょう。

  <お知らせ>

▶「2月は逃げる」の通り、あと二日で2月が終わります。「今月のメッセージ」「今月のお祈り」「ヘッダー(水仙)」が更新されます。

▶続いて意義深い「レント(四旬節)」の一日一日を過ごさせて頂きましょう。