「ハンナは心に深く悲しみ、主に祈って、はげしく泣いた。」 サムエル記上1章10節より

5月の今月のメッセージ(ライラック)「神は人を用いずには、この地上において何事もなさらないかのように見える」(沢村五郎『聖書人物伝』いのちのことば社、一六〇頁)。

士師時代の目を覆いたくなるような暗黒時代に、神はひとりの人を興されました。それがサムエルであり、そのために用いられたのが理想の母ハンナでした。ハンナは子のない恥を負う婦人でしたが、その悩み、痛み悲しみを、人の前にでなく、ただ主の前に注ぎ出した人でした(詩篇六二・八)。ひとりの男の子を求め、ささげますと約束した後に神が答えてくださって、与えられて、その子を真に神にささげた信仰と祈りの婦人、ハンナでした。このハンナに私たちのならうところは、「救霊の熱情と熱祷」です。福音の子、霊の子がひとりもいないならば、心を痛め、ひたすら主に求め続けて与えられたいものです。神は今の時代も人を用いたく願っておられます。現代のハンナ、サムエル、出でよ。

(小野淳子著 「神と共に歩む日々」より)