< ヤベツ >
「ヤベツは彼の兄弟たちよりも重んじられた。彼の母は、『私が悲しみのうちにこの子を産んだから。』と言って、彼にヤベツという名をつけた。」 Ⅰ歴代誌4章9節
「私を大いに祝福し、私の地境を広げてくださいますように。」 Ⅰ歴代誌4章10節
一見、味気なく見える系図の中に、恵みの泉は湧き、信仰の花が咲いているものです。「ヤベツ」の生涯がそれです。「苦しみ」という意味の名を持つヤベツが兄弟たちより重んぜられる、尊ばれる(協会訳)者だった? その出生について詳しくは知り得ません。難産であったか、父親の召天であったか・・・とにかく母がその悲しみ、苦しみ(原語、協会訳)のうちに彼を生みだし、母子ともにそれを負い続けてきたのでしょう。しかし、ヤベツはその名にも境遇にも押しつぶされたりせず、むしろ、勇壮にも、祝福の神に祈ったのでした。大いに祝福してください。地境を広げてください。御手が私とともにあって、苦しみから救ってください、と! 神はその願いをかなえられました。
祈りを軸に、生涯を大きく、苦しみから祝福へと逆転させたヤベツのエネルギーに倣いましょう。
小野淳子著 「神と共に歩む日々」より